Dave Pelz’s Green Reading

ペルツ博士のパッティングバイブル。

400ページのまさにバイブルのような本はストローク、グリーンリーディング、ラインよりスピードが大事、練習プログラム、などの章に分かれていますが、グリーンリーディングに最も多くのページが割かれています。ここから読み始めてみたところ、そこには衝撃的な事実が…!

グリーンには傾斜があります。パットする時、まっすぐのラインはとても少なくて、90%以上は曲がり(break)があります。

博士は、雨どいを細くしたようなレールを斜めに立てた装置を作りました。

レールには目盛りがついていて、同じ高さからボールを離せば、ボールは毎回同じ強さで転がります。この装置を使い、ちょうどカップインする強さでパットを打った場合、どこを狙えばカップインするのか、を計測しました。その打ち出しの方向をカップの距離まで伸ばした地点をTrue Break Pointと名付けました。

実験&検証が大好きなペルツ博士、次に1500人のゴルファー(うち50人はPGAツアープロ)を集めました。ラインを読んでもらい、どこを狙うかを宣言してもらい、実際に構えて、パットを打ってもらう、という実験をしました。

すると、ツアープロを含めほとんどのゴルファーが、

1)True Break Pointまでの距離(赤線)の30−35%程度に曲がりを予想し、
2)65−70%のところに向かって構え、
3)85−90%のところにボールを打ち出し、
4)ボールは手前で曲がってウィークサイドでカップをミスる

という結果が出たのです。

例えば上の図のような左から右へのスライスラインの場合、実際の曲がり幅の1/3程度にしか予想せず、しかし自分の予想よりは左めに構えて、ストロークやフェースを操作して構えた方向よりももっと左(True Break Pointに近い方向)に打ち出している、というのです。少し強めに打てば、カップインすることもあります。

これらは全て無意識・潜在意識下(subconscious)で行っていることであり、故意にはできない。この一連の無意識な動作のおかげで偶然的にゴルファーはパットをカップインさせていると!

ペルツ・スクールにやってきた生徒たちに、上でやった実験のように、雨どい装置でTrue Break Pointを示し、さあ実際に正しい方向を向いてパットしてみましょう、と教えても、潜在意識がどうしても左めに打ち出そうとしてしまうため、今度はカップを通り過ぎて高い側でミスってしまうそうな。生徒さんはどうしても潜在意識を払拭することができずに、「なんだ、けっきょく入らないじゃん。それなら前からやっている自分の方法で狙えばいいや」と思ってしまい、先生も生徒もフラストレーションを感じながらスクールが終わる、という状態が続いたそうな。

問題点は3つ。

1)True Break Point=本当に狙うべき場所が分からない
2)狙う場所が分かっても、素直にストロークすることができない
3)潜在意識に打ち勝つまで辛抱強く練習することができない

解決策は…

1)正しい知識と情報と経験でTrue Break Pointは判断できるようになる
2)と3)トレーニング方法とドリルを開発したので安心してください

マジですか。

最近パターを新調しました。スクエアに当たってちゃんと打ち出している感じがします。パット数もだいぶ減りました。でもアレもコレも実はぜんぶ幻なのか…

私はパットをストロングサイドに外すことが多いのですが、てっきりラインの読み方が間違っているのだと思っていました。でもこの論理で行くと、読みは合っているけど潜在意識がもっと深いポイントに打ち出しているだけなのかもしれません。ここ5ラウンドぐらいは、明らかな傾斜でない限りカップの内側を狙う、しっかり打つ、あとは潜在意識が少し左・右に打ち出して調整してくれるだろう、という作戦に変えてみたところ、1パットで上がるホールが増えました。ペルツ理論を逆手に取った戦略だといえますが、これを真の上達とは呼べましぇん。

ああ早く続きを読みたい!待ちきれません!

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カテゴリーGolf